書の窓辺 Vol.59日本書道教育協会

<Contents>
【TOPIC】◇書作品『米百文』を静岡県に寄贈
【クリッピング】◇「書のまち」小野道風生誕の地!の取組み
【書とビジネス】◇“県庁美術館”産業・文化と書のコラボレーション
【硯海】◇広目天と筆 -歴史は語る-
【こころに残る言葉】◇高村光太郎の言葉
【BOOKナビ】◇大人のための読書全技術
【事務局だより】
  ◇総合書道(競書)誌『習字塾』会員の募集!
  ◇情報紙『書の窓辺』の贈呈について

topic

書作品『米百文』を静岡県に寄贈 ―「ふじのくに和の食文化の振興」に一役 ―

高秀樹静岡県副知事(右)に書作品を贈呈する平形精一教授 (写真提供:静岡県庁茶業農産課)

高秀樹静岡県副知事(右)に書作品を贈呈する平形精一教授
(写真提供:静岡県庁茶業農産課)

12月6日、静岡県総合コンベンション施設「プラザベルデ」(沼津市)で県が開催した“「和食」のユネスコ無形文化遺産登録一周年”記念・『ふじのくに和の食文化の祭典』の開会式で、平形精逸静岡大学名誉教授・常葉大学教育学部教授・日展会友が臨書揮毫、日本書道教育協会が制作協力した書作品『米百文』(こめひゃくもん)を静岡県に寄贈した。
作品は、開会式典の中で、高秀樹静岡県副知事に平形精逸教授から手渡され、平成18年制作の同教授制作の『百茶文』(静岡県収蔵)とともに会場に飾られ、来場者の注目を集めた。
今回寄贈の『米百文』は、「歴史的な文献・資料を基に、古代中国の殷・周の時代から日本の江戸まで伝わる、古今の名筆・書聖王羲之、空海をはじめ徳川家康等多くの書蹟を調べ集めた「米」の文字約450字から百字を厳選、学術・芸術的な価値・オリジナル性を追究、現代に蘇らせた史上初の作品である。書を通じた産業・文化の興隆を念願したい。

クリッピング

「書のまち」小野道風生誕の地!の取組み

道風くん (春日井市マスコットキャラクター)

道風くん
(春日井市マスコットキャラクター)

愛知県春日井市は“書のまち”を標榜している。市のホームページに、その由来は次のようにある。
「平安時代の三跡のひとり、小野道風は古くから春日井で生まれたと言い伝えられている。
 その真偽は明らかでないが、春日井の人々はそれを信じ、誇りにしてきた。そして「とうふうさん」と呼んで親しんで、自然に書道の盛んな土地柄になった。
 春日井市では、この文化的伝統を大切にして、「書のまち春日井」をキャッチフレーズにし、道風記念館の事業、全国公募の書道展である「道風展」の開催など、書道文化の振興に力を入れている。」
「書道教育特区」といえば静岡県の伊東市が、平成17年全国でいち早く内閣総理大臣の認定を受け注目された。19年には静岡県長泉町、20年には沖縄県那覇市が指定認定されたが、全国的に伝播で20年4月から地域の限定を解かれた。

(愛知)「書のまち」春日井、小1から書道科 20校で

朝日新聞2015年1月19日

59-03小野道風の生誕伝説から「書のまち」を掲げる愛知県春日井市は来年度、小学1年生から書道を学ぶ学校を、これまでの2校から20校に増やす。通常は3年生から。表現力の向上と、豊かな人間性を育むことを目指すという。
 書専門の美術館「道風記念館」に近い小野小学校など2校は4年前、1年生から「書道科」の授業を開始。通常の教育課程を変更するため文部科学省から特例校の指定を受けた。年間34、35時間で、国語の中の書写、書道の時間に加え、生活科から4、5時間を振り向けた。市は2校の実績を踏まえ、小学校38校の過半数で実施する。
 墨で教室や衣服を汚さないように、水で字が書け、数分で字が消える「水書板」も配布。教室に余裕のある学校では、練習ができる「書写ルーム」も整備する。

書とビジネス

“県庁美術館”産業・文化と書のコラボレーション

“県庁美術館“ (写真提供:静岡県世界遺産センター整備課)

“県庁美術館“
(写真提供:静岡県世界遺産センター整備課)

登録有形文化財 静岡県庁本館 正面玄関ポーチには「静岡縣廰」のブロンズ製表札が掲げられている。

登録有形文化財 静岡県庁本館
正面玄関ポーチには「静岡縣廰」のブロンズ製表札が掲げられている。

静岡市葵区の駿府城址の中に建つ、県都のシンボル静岡県庁本館は、1937(昭和12年)の建築。当時流行の帝冠様式の鉄筋コンクリート4階建(一部5階建)、石造り風の外壁と赤褐色の瓦葺を有し左右対称で安定感のある外観。内装も重厚荘重で歴史の重みを感じる。正面玄関も威容で公式行事のスタートに使われることも多い。広い階段を四階まで上ると東館に通じる回廊に出る。その昔、儀式が行われた格天井の「正庁」(おもてざしき・正殿)があった由緒ある場所である。川勝平太県知事はここを「”県庁美術館“」とおっしゃる。広々とした壁面には、大きな書のパネルや写真などが飾られている。
回廊の中央壁面には墨痕鮮やかな『山は富士 お茶は静岡日本一』の書のパネル。その下には「冠雪まばゆい富士山と茶畑」の写真と「ふじのくに『茶の都しずおか』憲章」の額装の書。この両脇には県に纏わる風景写真等が掲げられ目に飛び込んでくる。
県庁4階のこの回廊は、本館正面玄関と知事室のある東館、教育委員会等のある西館への連絡通路でもあり来訪者の人目を惹く。東館を繋ぐ、この通路には庁内で唯一深紅の絨毯が敷かれ荘重さを一層感じる。正に“県庁美術館”を思わせる。
ちなみに、ここに掲げられている書2点(左の写真)は、平形精逸静岡大学名誉教授・常葉大学教育学部教授の揮毫作品である。

硯海

広目天と筆 ―歴史は語る―

徳井伸行

59-0659-07寺の本尊を安置する本堂の須弥壇四隅に立つ東西南北を護る四天王の一つ、広目天は、革製の甲冑を身につけ武将の形をして、弁舌を以て仏の説法を受け持っている。
時代によって異なるが、筆・巻子あるいは索・戟を持っている。
法隆寺の金堂にある広目天が、「筆の持ち方」でよく引き合いに出されるが、筆を持つ手は、指一本だけを掛けた「単鉤法」であり、きれいに筆を持っているのでお手本になる。日本で書道が盛んになり始めた奈良時代からお手本にされている。
 鎌倉時代の書物『入木抄』(尊円法親王著)に、空海の筆の持ち方を図示している箇所がある。その持ち方と法隆寺の金堂の広目天の筆の持ち方と同じである。
其の取様は中指の両節の中央に筆をおきて、頭指のそばと大指の腹とにておさえて取候ふなり。無名指と小指の二つをばにぎらずして、ひしとよせて、中指のしたにかさねて、中指の力になし候ふなり。」(筆の持ち方は中指の二つの関節の中央に筆を置き、人さし指の横と親指の腹で筆をお持ちなる。薬指と小指との二つを握らないで、しっかりとくっつけて中指の下に重ねて、中指を支える手助けとします。)と書かれ空海の執筆法の図絵を載せている。
(青森山田高校通信制課程講師)

心に残る言葉

書はいくら見ても飽きない ~高村光太郎の言葉~

59-08
高村光太郎の随筆「書について」が、『日本の名随筆64 書』(小松茂美編)に掲載されている。
読んでみると実に辛口である。この高村光太郎の書に対する慧眼を作家の伊集院静さんが、『文藝春秋』に連載中の「文字に美ありや」に書いている。
(*右の写真は高村光太郎書「海にして…」・高村記念館蔵)

<*『文芸春秋』平成26年10月号よりの抜粋>
文字に美ありや⑩    伊集院静
 彫刻家であり、日本の近代詩の先駆者である高村光太郎は、書についてこう語っている。
「書を見るのはたのしい。画(絵画)は見飽きることもあるが、書はいくら見てもあきない。又いくどくり返してみても、そのたびに新しく感じる」
 光太郎の晩年の言葉だが、光太郎の書は実に味わいがあり、まさに見ていて飽きない。

BOOKナビ   書棚からの一冊

大人のための読書全技術  齋藤 孝著  中経出版  定価1500円+税

読書について論じた「読書論」は数々あるがこの本は出色!
齋藤孝の技術のすべてを一冊に集約した、まさに齋藤メソッドの集大成!さあ、読書の達人になろう! <目次>・序章 社会人にこそ、読書が必要な理由 ・第1章 読書のライフスタイルを確立する ・第2章 読書の量を増やす―速読の全技術 ・第3章 読書の質を上げる―精読の全技術 ・第4章 読書の幅を広げる―本選びの全技術 ・第5章 読書を武器にする―アウトプットの全技術 ・終章 社会人が読んでおくべき五〇冊リスト
齋藤教授は、多い日は一日に10冊以上を読破するという。NHK「クローズアップ現代」が警鐘を鳴らした“読書ゼロ”は何をもたらすか…。等が気になる。

事務局だより

◇総合書道(競書)誌『習字塾』新会員の募集!  <美しい文字は生涯の宝です>

いま,書道は日本文化としても再評価されています!
本誌は、書道教育の粋を集め“整った美しい文字と精緻な編集”で、全国的に好評で新会員が急伸しています。書道は学業の上達や生涯学習のツールとして、子ども・大人の別なく取組め,趣味としても最高の技芸です。権威の証しとなる段級位や師範認定、文科省後援の「書写検定」にも挑戦できます。

◇情報紙『書の窓辺』の贈呈について <好評につき配布中>

本情報紙は、書塾や会員、児童生徒会員の保護者を対象に、書写書道に係る今日的話題を発信するため、本会と皆様をつなぐメッセージとして隔月発行しています。創刊から9年余、多くの皆様の求めに応じ発行部数も増加しています。塾によっては、塾と塾生を結ぶ資料活用、全員配布をしています。必要部数をお知らせください。
申込・お問い合せは事務局まで。(編集副代表 見城正訓  総務担当 小林由香利)

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2015年02月01日 category : お知らせ, イベント情報, コラム, 情報, 情報一覧 タグ:
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