書の窓辺 Vol.55日本書道教育協会

日書協情報「書の窓辺」

2014年6・7月号 Vol.55 平成26.6.1発行

<Contents>
【TOPIC】◇書作品『百花文』花博でデビュー
【書とビジネス】◇筆とタクト(指揮棒)―筆先は書を、指揮棒はハーモニーを導く―
【硯海】◇万葉集と七夕  -古典は語るー
【こころに残る言葉】◇言葉も成功のもと
【BOOKナビ】大人の漢字教室 山口謡司著
【事務局だより】
  ◇総合書道(競書)誌『習字塾』会員の募集!
  ◇「仮名条幅講座」受講者の募集!(初心者歓迎)
  ◇情報紙『書の窓辺』の贈呈について

topic

書作品『百花文』花博でデビュー

花博ガーデンパーク会場里の家に展示の書作品「百花文」(写真:静岡県撮影)

花博ガーデンパーク会場里の家に展示の書作品「百花文」(写真:静岡県撮影)


「浜名湖花博2014」ガーデンパーク会場正面ゲート(写真:静岡県撮影)

「浜名湖花博2014」ガーデンパーク会場正面ゲート(写真:静岡県撮影)


― 百花繚乱のなか「花博」華々しく開幕“墨美”際立つ ―
“浜名湖花博2014~花と緑の祭典~”の開会式が,3月21日「はままつフラワーパーク会場」で行われた。4月5日には県の「浜名湖ガーデンパーク会場」が開幕,4月14,15日には秋篠宮ご夫妻が全国都市緑化祭で両会場をご視察になった。
百花繚乱緑眩い,浜名湖ガーデンパーク会場の一角「里の家」には,書作品『百花文』が飾られ,しっとりとした潤いと落ち着きのある空間を醸し出している。
博覧会を数々見たが,このような場面に「書」が飾られることは稀,誠に素晴らしいことである。掲載の写真左は『百花文』。右脇『花』の大字書は,県花博事業推進室の水口長八室長が射止めたという静岡墨人会の鷲巣由季さん(小学6年生・現在中学1年生)の見事な作品。『百花文』は,平形精逸静岡大学名誉教授・常葉大学教育学部教授が,古今東西・中国の殷から日本の江戸時代までの「花」の名筆1300字を渉猟。100字選び臨書揮毫し現代に蘇らせた書作品。精彩で見るほどにうっとりし時間を忘れるくらいである。
花博覧会5月下旬の入場者総数は100万人を突破の賑わい。実行委の目標80万人を軽く達成した。この機会に多くの人が会場を訪れ,“書と産業・文化のコラボレーション”書の妙味・彩を是非,感じていただきたいものである。

書とビジネス

筆とタクト(指揮棒)―筆先は書を、指揮棒はハーモニーを導く―

<Contents>
署長さんはギタリスト 署内でバンド、高齢者対象に出張ライブ
 音楽の力で防犯や交通事故防止を進めようと、熱海署の岡田卓史署長がギターバンド「あたみゆ〜ドリーム」を署内に発足させた。熱海市の高齢化率は4割を超え、高齢者の事件・事故防止は最重要課題。署のトップ自らギターを手に防犯講座や交通安全教室で出張ライブを行い、高齢者と往年の名曲を一緒に歌う。岡田署長は「歌は絆づくりにとても効果的。熱海の元気と安全安心につなげたい」と意気込む。
(静岡新聞2013.6.3付け抜粋)

歌手五月みどりさんの左が岡田署長(写真:熱海警察署撮影)

歌手五月みどりさんの左が岡田署長(写真:熱海警察署撮影)



岡田卓史熱海警察署長は,本会発行の月刊・書写書道誌『習字塾』や平形精逸静岡大学名誉教授主宰の書道研究「青象会」の歴っとした会員。“アフタ5”には「青城」の号で書活動もしている書道家。最も権威のある書道資格「文部科学省認定の書写書道検定一級取得者・指導者」。本会認定の「書道総合師範」のお墨付きもある。
仕事柄,東奔西走の激しい人事異動,幹部ともなれば勤務地に住まう激職にも係わらず,筆を折ることなく赴任先でも地元書家の門をたたき武者修行,努力の人である。自宅での書きものは手書きを心掛け,どの部屋でもすぐに使えるよう筆を備えているとのこと。
本職は警察官,仕事においても積極果敢なアイデアマン。バンドを結成し署長自ら演出,治安活動で防犯をアピール。歌手の五月みどりさんを「一日署長」に委嘱,防犯イベントを企画開催するなど,新鮮でユニークな発想は誠に素晴しい。このニュースは,テレビでも放送された。
お堅い職場に“温かな気風”が漂い,人が活きる。タクトの先は「求心力」なくては,ハーモニーは奏でられない。署のクラブ活動に「書道部」も立ち上げたそうだ。官公庁の業務で,最も「書」を必要としているのは警察関係だと思う。賞状類の交付,××本部などの表札や立て看板,フリップ等の作成など書道の活用幅は広い。表札や看板もTPOにより,やさしさのある行書,北魏調の厳しい楷書などの書き分けが光る。岡田さんは県警本部時代,賞状等の筆耕を可なり引き受けたが,効率一辺倒の今,パソコン処理が多く見られる。手書き文字は美しく心もこもる。多くの人が,「書の力」その価値を再認識頂きたいものである。

硯海

万葉集と七夕 -古典は語る-

多夫手二毛 投越都倍吉 天漢 敝太而礼婆可母 安麻多須辨奈吉
たぶてにも 投げ越しつべき 天の川 隔てればかも あまたすべなき(飛礫でも投げ越えさせることのできそうな天の川なのに、それが二人の間を隔てているからであろうか、こんなにも切ないのは)山上憶良は七夕にちなんでこのように詠っている。万葉集には百三十余りもの七夕の歌が収められている。
七夕は、一年に一度、牽牛と織女が会えるという陰暦七月七日に星を祭る中国の乞巧奠(きっこうでん)の風習と、日本古来の「棚機つ女」の伝説と結びついて生まれたのが日本の七夕の行事。7月の異名を「文月」と言うのは、異説もあるが、陰暦の七月七日に詩歌を献じたり、書道や裁縫などの上達の願い事の「文」を書いて笹につけて飾る行事から「文披月(ふみひらきづき)」を「文月」と言うようになった、と言われている。芋の葉にたまった夜露を早朝に集め、墨をすり短冊に願いを書いた思い出を多くの人がもっている。今では、筆記具も毛筆以外に、筆ペン、サインペンなど、時代と共に様々であるが、七夕の短冊には、硯と筆を用いたいものである。
徳井伸行(青森山田高校通信制課程講師)

こころに残る言葉

言葉も成功のもと

 優れたリーダーには必ずマネジメントに秀でた右腕がいた。井深大と盛田昭夫,本多宗一郎と藤沢武夫のコンビは夙に有名である。
 『ソニーは人を育てる(小林茂・当時のソニー厚木工場長)』,『学歴無用論(盛田昭夫)』はいずれも1966年(昭和41年)の出版、日本の高度成長期のベストセラー本。人間中心主義経営が話題をさらった。“この企業にこの人・この名言がある”人生の糧にもしたい言葉。

<Contents>
“技術の井深・経営戦略の盛田”と言われた リーダーの名言
井深 大(ソニー創業者・社長)
●常識と非常識がぶつかったときに、イノベーションが生まれる。
●新しいものを創ろうというときには、技術的には専門家でなくても、何でも取り入れる。怖怖いもの知らずの素人だったから、がむしゃらに進めるのだ。
●人真似はしない。新しいことを手掛けよう。それは大変なことだが、一つ乗り越えると新しい境地が必ず開かれるから。
盛田昭夫(ソニー創業者・取締役)
●アイデアの良い人は世の中にたくさんいるが、良いと思ったアイデアを実行する勇気のある人は少ない。
●人は誰でも種々様々な能力を持っているものなのに、自分がどんなに優れた能力があるかを知らずにいる場合が多いと思う。どの世界でも偉人というものはたいてい、自分で自分を発見し、育てていった人であろう。

BOOKナビ

大人の漢字教室 山口謡司著

漢字は、今日までの長い歴史のなかで、数え切れないほど生み出されては、消えていきました。そのなかには、驚くほど不思議な形をしたものや、意外なドラマを秘めたものがあります。たとえば、「一」は数字の一番目ではなく、大地=世界のはじまりを表したものでした。また、とどまることなく流れている「時」は、字源をさかのぼれば「動かないもの」という意味だったのです。
 こうした学校では教えてくれない、漢字のもつ本当の魅力を楽しいイラストとともに紹介するのが本書『大人の漢字教室』です。「読める」「書ける」だけではもったいない! 大人のための漢字の授業がはじまります。
 著者は大東文化大学准教授。内容には話題性があり子供に話す参考にもなる。

事務局だより

総合書道(競書)誌『習字塾』会員の募集!

本誌は,書道教育の粋を集め“整った美しい文字と精緻な編集”で,全国的に定評があります。書道は学業の上達や生涯学習のツールとして,子ども・大人の別なく取組め,趣味としても最高の技芸です。いま,書道は日本文化として再評価されています。
権威の証しとなる段級位や師範認定,文科省後援の「書写検定」にも挑戦できます。

「仮名条幅講座」受講者の募集!(初心者歓迎)

今,日本の素晴しい文化が注目されています。本講座はその真髄でもある仮名書道の極致,奥深さ・妙味を学べる絶好の機会。元大学講師が語る平安文化や現代に至る書道にまつわる歴史・文化の話題は圧巻です。
・開講日:毎月1回・第1火曜日(休日の場合第2火曜日)午後1時30分~3時30分・本会研修室
・講師:西口雅子前静岡大学講師・元静岡英和学院大学講師・書道誌『習字塾』仮名条幅課題執筆
・座 学:古典研究・作品鑑賞・古典仮名にまつわる話題。
・実 技:①古典の鑑賞・添削指導 ②条幅課題の添削・講師模範揮毫・古典の臨書指導

構成編集 山中俊樹(日本書道教育協会事務局長)
編集副代表 見城正訓  総務担当 小林由香利

2014年06月01日 category : イベント情報, お知らせ, コラム, 情報, 情報一覧 タグ:
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