書の窓辺 Vol.54日本書道教育協会

<Contents>
【TOPIC】◇川村驥山の故郷に『百茶文』
【話題】◇子供の学校外教育活動
【文具ウォッチング】◇「美文字」ノート
【硯海】◇枕草子 -古典は語る-
【こころに残る言葉】◇祝婚歌
【BOOKナビ】◇鳩居堂の日本しきたり豆知識
【事務局だより】
  ◇総合書道(競書)誌『習字塾』会員の募集!
  ◇「仮名条幅講座」受講者の募集!(初心者歓迎)

TOPIC

◇川村驥山の故郷に『百茶文』

fukuroi-city2平形精逸(本名・精一)静岡大学名誉教授・常葉大学教育学部教授と日本書道教育協会は,原田英之袋井市長に書作品『百茶文』レプリカを3月28日袋井市役所で寄贈した。
書作品の寄贈は“書による産業・文化の振興”の一環として企画したもので,袋井市長は「袋井市の茶産業・茶文化の振興のために活用させていただく」と挨拶され,贈呈には袋井茶文化促進会の小泊重洋会長も同席した。当地,袋井は中遠の茶産地で「茶と書道」に由緒あるところ,この地に『百茶文』の贈呈は誠に奇遇である。
書家・川村驥山(1882-1969)は袋井市の生まれで書道界で初めて日本芸術院賞を受賞,『天馬のように走れ―書聖・川村驥山物語』の単行本(児童書) になるほどの偉人。平安時代の三筆・橘逸勢の塚(都へ帰る途中に病死)が曹洞宗用福寺にある。名刹曹洞宗油山寺には,書聖・空海が来錫の折,村里の貧しい夫婦の重病の子供を救った伝説にまつわる御霊杉や茶祖・栄西禅師(茶を宋から移入し,茶に関する日本最古の書『喫茶養生記』を著した)の像がある。この像は日本一大きいそうである。

話題

◇子供の学校外教育活動

ベネッセ教育総合研究所の第2回「学校外教育活動に関する調査2013」が書道美術新聞(平成26年2月15日第1024号に掲載されていたので,同紙とベネッセの調査報告書を参考に紹介する。なお,第1回調査は2009年である。
掲載の資料は,ベネッセの研究所が2013年6月に発行の「学校外教育活動に関する調査2013」データブックよりの抜粋である。
テーマは,保護者(母親)の教育観と子供の学校外教育活動の実態
対象は,3~18歳(高校3年生)の子供を持つ母親16.480名

20140506-11
*「親の教育への熱心さが,子どもの将来を左右する」が55.1%→62.6%と7.5ポイント増加。
*「学校生活が楽しければ,成績にこだわらない」は45.6%→42.2%と3.4ポイント減少。


20140506-12
*前回6位だった「補習塾」が8位に後退し、対象的に「習字」が6位には入っている。


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注1 複数回答(%)。表では全体の上位10位までを示した。
注2 ○数字は順位を示す。表中で同率のものは,小数二位以下により順位をつけている。
*教室学習活動では,小学生は「英会話・英語教室」「習字/硬筆」「そろばん」などが上位。
*中学生・高校生になると「進学塾」「補習塾」などの比率が高まる。

文具ウォッチング

◇「美文字」ノート ― リピート率の高い商品と言うが ―

美しい文字への関心・憧れは何時の時代でも高い。昨今、美文字ブームといわれる中で,“美文字”云々をテーマにした本をはじめ,万年筆,ボールペン,鉛筆などの筆記具。ノートなど様々な文房具の開発・販売のニュース,話題が目に付く。「ローマは一日にして成らず」の如く,美しい文字もまた然り「美文字も長年の努力・積み重ねなくして成らず」で,即効性や近道はないと思うが,なぜかこのような記事が気になる。

51jaxAJXvTL._SL500_AA300_「美文字」ノートが人気=購入層、社会人にも拡大文字がきれいに書けるノートが人気だ。「自信をもって美しい字を書きたい」という。「美文字」ブームに後押しされ、勉学でノートを使う学生だけでなく、社会人にまで購入層が広がっている。文具メーカーのコクヨS&T(大阪市)は2008年に美しい文字が書ける「ドット(点)入りけい線」ノート(157円)を発売した。ノートのけい線に等間隔で打たれた点を目印にすると、バランスが良く、読みやすい字が書ける。累計販売が今年3月に約2億冊を超え、人気商品に成長した。ナカバヤシも昨年10月に美文字ブームを意識した「文字力アップノート」(157円)を売り出した。1マスを横に4分割し、やや右上がりの薄いけい線を付け、漢字に多い横棒を美しく書けるように工夫を凝らした。ナカバヤシは「デジタル機器が普及する一方で、手書きの良さが見直された」(広報IR室)と最近のブームを説明している。
(時事ドットコム2014/03/29-16:02)

  

硯海

◇枕草子 -古典は語る-

『枕草子』(清少納言著)の中で「硯きたなげに塵ばみ、墨の片つ方に、しどけなく磨り平め、頭大きになりたる筆に、かささしなどしたるこそ、心もとなしとおぼゆれ。よろづの調度はさるものにて、女は、鏡、硯こそ、心のほど見ゆるなンめれ。(硯が汚くてほこりっぽく、墨の片方が曲げてだらしなくすり減って、頭の大きな筆にさやをさしてあるのは、いらだたしく感じられる。あらゆる調度はもちろんのことであるが、女性にとっては、鏡、硯こそ、心のほどが見えるものである。)と述べている。
これは当時の書道の話であるが、お道具を粗末に扱うことを戒めている。
日本では、針供養、扇供養などと針や扇など使ったものを感謝して納め、裁縫や芸の道の上達を祈願する習慣がある。作られたものには、作者の思い、念、魂が込められている。昔のものは手作りだからなおのことである。このように使ったものに感謝し供養して納めるのは、日本的文化であり美風である。
このごろはものを粗末にする風潮があるが、この良き精神をいつまでももち続け、ものを大切にする心を日本の文化として後世にまで残したいものである。
(徳井伸行・青森山田高校通信制課程講師)

こころに残る言葉

◇祝婚歌  人生訓でもある

この詩は,NHKnewsWatch9で1月30日大越健介キャスターが,”世代を超えて愛される「祝婚歌」“と紹介したもの,人生の訓としても,心に留めたい詩である。
詩人・吉野弘が姪の結婚式に出席できないため,姪夫婦に書き贈ったという。

祝婚歌  吉野 弘
二人が/睦まじくいるためには/愚かでいるほうがいい/立派すぎないほうがいい/立派すぎることは/長持ちしないことだと/気付いているほうがいい/完璧をめざさないほうがいい/完璧なんて不自然なことだと/うそぶいているほうがいい/二人のうちどちらかが/ふざけているほうがいい/ずっこけているほうがいい/互いに非難することになっても/非難できる資格が自分にあったかどうか/あとで/疑わしくなるほうがいい/正しいことを言うときは/少しひかえめにするほうがいい/正しいことを言うときは/相手を傷つけやすいものだと/気付いているほうがいい/立派でありたいとか/正しくありたいとか/無理な緊張には/色目を使わず/ゆったり ゆたかに/光を浴びているほうがいい/健康で風に吹かれながら/生きていることのなつかしさに/ふと 胸が熱くなる/そんな日があってもいい/そして/なぜ胸が熱くなるのか/黙っていても/二人にはわかるのであってほしい


BOOKナビ

◇鳩居堂の日本しきたり豆知識

20140506books

“創業350年の老舗が伝える日本の変わらぬ心ここにあり”
日本のしきたりや伝統の、いわれ、由来、背景、歴史の中で変遷してきたことなどを知ると、日本人にとって、どれも身近で、なるほどなあ、と認識を新たにします。 現代生活の中で、日々を楽しく豊かにする四季折々の日本の伝統や、人間関係や付き合いを円滑にスマートにする日本のしきたり。今年350年の長い歴史を誇る鳩居堂の引き出しのひとつひとつをあけてその中の秘蔵の書をひも解くように、日々の暮らしに彩りを添える豆知識として、わかりやすく解説している。 <香・書画用品専門店の価値ある“和のノウハウの蓄積”。編集子が座右に備える最も新しい本。>

鳩居堂の日本のしきたり 豆知識
監修・鳩居堂 マガジンハウス  定価1,500円+税




事務局だより

◇総合書道(競書)誌『習字塾』会員の募集!

本誌は,書道教育の粋を集め“整った美しい文字と精緻な編集”で,全国的に定評があります。書道は学業の上達や生涯学習のツールとして,子ども・大人の別なく生涯親しみ取組め,趣味としても最高の技芸です。すぐれた日本文化として再評価されています。
権威の証しとなる段級位や師範認定,文科省後援の「書写検定」にも挑戦できます。

◇「仮名条幅講座」受講者の募集!(初心者歓迎)

今、日本の素晴しい文化が注目されています。本講座はその真髄でもある仮名書道の極致,奥深さ・妙味を学べる絶好の機会。元大学講師が語る平安文化や現代に至る書道にまつわる歴史・文化の話題は圧巻です。
・開講日:毎月1回・第1火曜日(休日の場合第2火曜日)午後1時30分~3時30分・本会研修室
・講 師:西口雅子前静岡大学講師・元静岡英和学院大学講師・書道誌『習字塾』仮名条幅課題執筆
・座 学:古典研究・作品鑑賞・仮名にまつわる話題。
・実 技:①古典の鑑賞・添削指導 ②条幅課題の添削・講師模範揮毫・古典の臨書指導

☆お申込・お問い合わせは事務局まで。

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2014年04月01日 category : お知らせ, イベント情報, コラム, 情報, 情報一覧, 未分類 
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